*下記記事の寄稿になります。
当サイトでは、RadeonでVRをする際の情報を主に発信していますが、特にVRChatでプレイするにあたり、当方が経験したことがないNvidiaのグラボではなかなか発生しえなかったいくつかの事例をまず紹介したいと思います。詳細は、以下の記事にまとめています。
そもそもVRChatって何?どうしてVRAMが必要なの?って人は下記もご覧ください
私は、長年Nvidiaでプレイし、グラボも当然Nvidiaに交換したことがありますが、想像していない色や表現によるトラブルがワールド内で発生したり、ドライバの問題などが発生するケースを紹介させていただきました。
実際にRadeon RX 7800 XTの検証機を購入し、「ワールド巡り」をすることで、色や表現がNvidiaと変化がないか検証しています。
これらケースが、Radeonによるものなのか?メーカーによるものなのか?Radeonはトラブルがやっぱり多いのか?等は、ひとまず置いておきます。
というのも、そもそも、私たちVRChatユーザーは、Nvidiaが有利という時代を経験する時間が長すぎるあまり、Radeonというものに詳しくないと思います。自分もそうでした。
今回は、Radeonってそもそも何?どういった読み方なの?ベンチマークは?シリーズのラインナップなど、基本的な情報を簡単に紹介し、VRChatでGPUのメモリが重要な理由や現在話題になっているトレンドを簡単に紹介したいと思います。
「Radeon」の読み方
「Radeon」は、AMD社(Advanced Micro Devices アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)のグラフィックボード(GPU)です。日本では大きく2つの呼び方でよばれます。
- レイディオン:英語発音ベースでの正しい読み方や公式:レイディオン
- ラデオン:日本では、長年ローマ字読みでラデオン
Radeonの型番の見方
Radeon RX 7800について、今回冒頭で紹介しましたが、Radeonの型番について知らない人が多いかと思います。型番の意味を知ることで、おおよそのスペックや性能がわかります。
Radeonの命名規則は以下の通りです。
GPUの型番(例)
- 例)AMD Radeon RX 7900 XTの場合
AMD | メーカー(基本変わらない) |
Radeon | ブランド(基本変わらない) |
RX | グレード |
7900 | 世代&性能(数字が大きいほど高性能) |
XT | 細かな性能 |
末尾のXTでは、グラボの細かな性能を表す英語表記がつけられます。これはシリーズによって中間に別のものが入ってくることがあります。
- 末尾:XTX>XT>無印
例:「Radeon RX 6950 XT」>「Radeon RX 6800 XT」>「Radeon RX 6800」
世代をまたぐと必ずしもこの通りではないので注意しましょう。
Radeonの命名規則の歴史
5000シリーズより前のAMDは世代によって命名規則が異なっており、2019年に発売された「Radeon RX 5000」シリーズ以降は、上記のような一貫性のある命名規則が採用されました。
Radeon RX 9000シリーズ
9000シリーズが既に発売されています。ただし
・9070 XT 16GB 約13万8千円~
とまだまだメモリを24G積んでいる7900より高い状況なので、購入を検討しているのなら、コストパフォーマンスが高く、ドライバも成熟しているであろう7000シリーズがいいかと思います。
グラフィックボードの紹介では通常、演算ユニットの数や他Nvidiaとの比較などが多いですが、VRChatでは、特に「VRAM(メモリ)」が重要です。VRAMがどうして重要なのかは、後ほど紹介します。
9000 シリーズ
タイトル | 演算ユニット | レイ アクセラレータ | AI アクセラレータ | ゲーム周波数 | AMD Infinity Cache テクノロジ | 最大メモリ サイズ |
---|---|---|---|---|---|---|
AMD Radeon™ RX 9070 XT | 64 | 64 | 128 | 2400 MHz | 64 MB | 16 GB |
AMD Radeon™ RX 9070 | 56 | 56 | 112 | 2070 MHz | 64 MB | 16 GB |
AMD Radeon™ RX 9060 XT | 32 | 32 | 64 | 2530 MHz | 32 MB | 16 GB |
AMD Radeon™ RX 9060 XT (8GB) | 32 | 32 | 64 | 2530 MHz | 32 MB | 8 GB |
上記一覧はAMDより引用:https://www.amd.com/ja/products/graphics/desktops/radeon/7000-series.html#tabs-b5e0ab7002-item-7494099f8e-tab
Radeon RX 7000シリーズ (価格は2025年5月25日現在)
7000シリーズは、7900が一番上のスペックになります。9000シリーズと異なり、Radeon RX 7900 シリーズが2022年12月16日に販売が開始されてから、2年半がたとうとしています。
・7900 XTX 24GB 約12万
・7900 XT 20GB 約11万
・7800 XT 16GB 約7万3千円~
・7700 XT 12GB 約5万8千円~
・7600 XT 16GB 約5万8千円~
7900 XTXは、24GBも大量にVRAMを積んでおります。なお7900 GREは、当初一部の国のみ対応だったが、全世界に広がっており、日本でも発売しています。コストを考えると、7800 XT 16GBが導入しやすいと思います。Radeonを選択に入れる方のほとんどは、コストを理由に導入されると思いますので、7000シリーズは、非常に魅力的だと思います。(当サイトもこのあたりを紹介していきたいと思います)
ベンチマークとおすすめ

引用:https://www.dospara.co.jp/5shopping/shp_vga_def_parts.html
(ドスパラの検証機のスペック証明のため引用)
7000 シリーズ
タイトル | 演算ユニット | レイ アクセラレータ | AI アクセラレータ | ゲーム周波数 | AMD Infinity Cache テクノロジ | 最大メモリ サイズ |
---|---|---|---|---|---|---|
AMD Radeon™ RX 7900 XTX | 96 | 96 | 192 | 2300 MHz | 96 MB | 24 GB |
AMD Radeon™ RX 7900 XT | 84 | 84 | 168 | 2000 MHz | 80 MB | 20 GB |
AMD Radeon™ RX 7900 GRE | 80 | 80 | 160 | 1880 MHz | 64 MB | 16 GB |
AMD Radeon™ RX 7800 XT | 60 | 60 | 120 | 2124 MHz | 64 MB | 16 GB |
AMD Radeon™ RX 7700 XT | 54 | 54 | 108 | 2171 MHz | 48 MB | 12 GB |
AMD Radeon™ RX 7600 XT | 32 | 32 | 64 | 2470 MHz | 32 MB | 16 GB |
AMD Radeon™ RX 7600 | 32 | 32 | 64 | 2250 MHz | 32 MB | 8 GB |
上記一覧はAMDより引用:https://www.amd.com/ja/products/graphics/desktops/radeon/7000-series.html#specifications
全体的に6万円以上払えば、メモリが12GB確保できるのもVRChat用途には向いていると思います。VRChatでグラボを積む際に特に注目すべき点は、メモリ容量になります。理由については、下記に記載します。
Radeonの場合のグラボの目安(VR)
7000シリーズと6000シリーズをメモリ容量別にまとめると、以下が目安です。VRの場合、表示解像度に依存する点もありますが、人数だとおおよそ以下が目安になります。
① 必要最低限、少人数のみ。 | RX 6500 XT等~(アバター表示数制限推奨) |
② 10〜15人程度 | RX 7600 |
③15~25人程度 | RX 7700 XT RX 7600 XT RX 7800 XT RX 7900 GRE |
④ 25人以上 | RX 7900 XT RX 7900 XTX |
Radeon RX 6000シリーズ
現在も新品が販売されていますが、メインは7000シリーズ化と思いますので、ここでは割愛したいと思います。RX 6950 XT~RX 6800までのメモリが16GBあります。
6000 シリーズ
タイトル | 演算ユニット | レイ アクセラレータ | ゲーム周波数 | AMD Infinity Cache テクノロジ | 最大メモリ サイズ |
---|---|---|---|---|---|
AMD Radeon™ RX 6950 XT | 80 | 80 | 2100 MHz | 128 MB | 16 GB |
AMD Radeon™ RX 6900 XT | 80 | 80 | 2015 MHz | 128 MB | 16 GB |
AMD Radeon™ RX 6800 XT Midnight Black | 72 | 72 | 2015 MHz | 128 MB | 16 GB |
AMD Radeon™ RX 6800 XT | 72 | 72 | 2015 MHz | 128 MB | 16 GB |
AMD Radeon™ RX 6800 | 60 | 60 | 1815 MHz | 128 MB | 16 GB |
AMD Radeon™ RX 6750 XT | 40 | 40 | 2495 MHz | 96 MB | 12 GB |
AMD Radeon™ RX 6700 XT | 40 | 40 | 2424 MHz | 96 MB | 12 GB |
AMD Radeon™ RX 6700 | 36 | 36 | 2174 MHz | 80 MB | 10 GB |
AMD Radeon™ RX 6650 XT | 32 | 32 | 2410 MHz | 32 MB | 8 GB |
AMD Radeon™ RX 6600 XT | 32 | 32 | 2359 MHz | 32 MB | 8 GB |
AMD Radeon™ RX 6600 | 28 | 28 | 2044 MHz | 32 MB | 8 GB |
AMD Radeon™ RX 6500 XT | 16 | 16 | 2650 MHz | 16 MB | 8 GB |
AMD Radeon™ RX 6500 XT (4GB) | 16 | 16 | 2610 MHz | 16 MB | 4 GB |
AMD Radeon™ RX 6400 | 12 | 12 | 2039 MHz | 16 MB | 4 GB |
上記一覧はAMDより引用:https://www.amd.com/ja/products/graphics/desktops/radeon/7000-series.html#tabs-b5e0ab7002-item-c0e0732325-tab
以下は、掲示板での報告事例です。
- Radeon RX 7900 XT とRadeon RX 9070 XTどちらがよいか?
AMDのカードはVRとの相性が良くないとされているが・・・・
9070XTは、FSRとRTXのパフォーマンスが向上しているので、ほとんどのゲームで恩恵を受けられる。しかし、7900XTのVRAM容量が増えたところで、極端に高いテクスチャ/シャドウマップ設定とか、特殊な環境しか影響がない。
「ただし、メモリを極端に食うVRCの場合は別」
VRChatは、16GBのVRAMじゃ足りないケースも確かにある。実際問題、24GBの方が快適だと思われますが、以下の問題も発生してきます。
24GBのグラボを使ってても、30fps以下でフレームレートがガクガクしたり、1:3のリプロジェクション比率で止まっちゃうことがある。
直近では、CPUのボトルネックの方が問題なのではという指摘も。
実際問題、インテルのCPU問題以降、ボトルネックがCPUになりつつあると感じています。
そもそも多くのユーザーがNvidiaからRadeonに変更しようと思ったのが、インテルのCPU問題で、様々なパフォーマンスが落ちたことが原因ではないでしょうか? CPUを9800x3dにアップグレードすることで、パフォーマンスの違いがすごかったというケースもあるそうです。
このあたりも含めて、今後、CPUの記事を書いていきたいと思います
以上です
個人的におすすめなのが、7万8千円台から購入でき、メモリも16GB積んだ7800XTです。7800XTの場合、19万円台からBTOで即納モデルのPCを購入できます。当サイトの検証機も、ドスパラで購入しました。
Nvidia製の場合、19万円台だと4070で12GB、5000台だと、8GBしかない5060Tiになってしまい、RAMを必要とするVRChatだとかなり不利な価格帯になっています。
7900シリーズになると、途端にBTO選択肢の幅が狭まるため、セールなどで購入するよりも単品購入のほうがメリットは高くなります。