【寄稿】Radeonの命名規則、価格、各シリーズの特徴、ベンチマークを紹介

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*下記記事の寄稿になります。

https://radeon.vrchat-fbt.com/radeon-2/

 当サイトでは、RadeonでVRをする際の情報を主に発信していますが、特にVRChatでプレイするにあたり、当方が経験したことがないNvidiaのグラボではなかなか発生しえなかったいくつかの事例をまず紹介したいと思います。詳細は、以下の記事にまとめています。

https://radeon.vrchat-fbt.com/asrock-radeon-rx-7800-xt-challenger-16gb/

そもそもVRChatって何?どうしてVRAMが必要なの?って人は下記もご覧ください 

https://radeon.vrchat-fbt.com/vrchat%e3%81%a7vram%e3%83%a1%e3%83%a2%e3%83%aa%e3%81%8c%e5%bf%85%e8%a6%81%e3%81%aa%e7%90%86%e7%94%b1/

私は、長年Nvidiaでプレイし、グラボも当然Nvidiaに交換したことがありますが、想像していない色や表現によるトラブルがワールド内で発生したり、ドライバの問題などが発生するケースを紹介させていただきました。

 実際にRadeon RX 7800 XTの検証機を購入し、「ワールド巡り」をすることで、色や表現がNvidiaと変化がないか検証しています。

https://radeon.vrchat-fbt.com/radeon_nvidia_vrchat/

これらケースが、Radeonによるものなのか?メーカーによるものなのか?Radeonはトラブルがやっぱり多いのか?等は、ひとまず置いておきます。

というのも、そもそも、私たちVRChatユーザーは、Nvidiaが有利という時代を経験する時間が長すぎるあまり、Radeonというものに詳しくないと思います。自分もそうでした。

 今回は、Radeonってそもそも何?どういった読み方なの?ベンチマークは?シリーズのラインナップなど、基本的な情報を簡単に紹介し、VRChatでGPUのメモリが重要な理由や現在話題になっているトレンドを簡単に紹介したいと思います。

「Radeon」の読み方

「Radeon」は、AMD社(Advanced Micro Devices アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)のグラフィックボード(GPU)です。日本では大きく2つの呼び方でよばれます。

  • レイディオン:英語発音ベースでの正しい読み方や公式:レイディオン
  • ラデオン:日本では、長年ローマ字読みでラデオン

Radeonの型番の見方

Radeon RX 7800について、今回冒頭で紹介しましたが、Radeonの型番について知らない人が多いかと思います。型番の意味を知ることで、おおよそのスペックや性能がわかります。
Radeonの命名規則は以下の通りです。

GPUの型番(例)

  • 例)AMD Radeon RX 7900 XTの場合
AMDメーカー(基本変わらない)
Radeonブランド(基本変わらない)
RXグレード
7900世代性能(数字が大きいほど高性能)
XT細かな性能

末尾のXTでは、グラボの細かな性能を表す英語表記がつけられます。これはシリーズによって中間に別のものが入ってくることがあります。

  • 末尾:XTX>XT>無印

例:「Radeon RX 6950 XT」>「Radeon RX 6800 XT」>「Radeon RX 6800」

世代をまたぐと必ずしもこの通りではないので注意しましょう。

Radeonの命名規則の歴史

5000シリーズより前のAMDは世代によって命名規則が異なっており、2019年に発売された「Radeon RX 5000」シリーズ以降は、上記のような一貫性のある命名規則が採用されました。

Radeon RX 9000シリーズ 

9000シリーズが既に発売されています。ただし

9070 XT 16GB  約13万8千円~

とまだまだメモリを24G積んでいる7900より高い状況なので、購入を検討しているのなら、コストパフォーマンスが高く、ドライバも成熟しているであろう7000シリーズがいいかと思います。

グラフィックボードの紹介では通常、演算ユニットの数や他Nvidiaとの比較などが多いですが、VRChatでは、特に「VRAM(メモリ)」が重要です。VRAMがどうして重要なのかは、後ほど紹介します。

9000 シリーズ

タイトル演算ユニットレイ アクセラレータAI アクセラレータゲーム周波数AMD Infinity Cache テクノロジ最大メモリ サイズ
AMD Radeon™ RX 9070 XT64641282400 MHz64 MB16 GB
AMD Radeon™ RX 907056561122070 MHz64 MB16 GB
AMD Radeon™ RX 9060 XT3232642530 MHz32 MB16 GB
AMD Radeon™ RX 9060 XT (8GB)3232642530 MHz32 MB8 GB

上記一覧はAMDより引用:https://www.amd.com/ja/products/graphics/desktops/radeon/7000-series.html#tabs-b5e0ab7002-item-7494099f8e-tab

Radeon RX 7000シリーズ (価格は2025年5月25日現在)

7000シリーズは、7900が一番上のスペックになります。9000シリーズと異なり、Radeon RX 7900 シリーズが2022年12月16日に販売が開始されてから、2年半がたとうとしています。

7900 XTX 24GB  約12万
7900 XT 20GB  約11万
7800 XT 16GB  約7万3千円~
7700 XT 12GB  約5万8千円~
7600 XT 16GB  約5万8千円~

7900 XTXは、24GBも大量にVRAMを積んでおります。なお7900 GREは、当初一部の国のみ対応だったが、全世界に広がっており、日本でも発売しています。コストを考えると、7800 XT 16GBが導入しやすいと思います。Radeonを選択に入れる方のほとんどは、コストを理由に導入されると思いますので、7000シリーズは、非常に魅力的だと思います。(当サイトもこのあたりを紹介していきたいと思います)

ベンチマークとおすすめ

引用:https://www.dospara.co.jp/5shopping/shp_vga_def_parts.html
(ドスパラの検証機のスペック証明のため引用)

ヒロ

個人的におすすめなのが、7万8千円台から購入でき、メモリも16GB積んだ7800XTです。7800XTの場合、19万円台からBTOで即納モデルのPCを購入できます。当サイトの検証機も、ドスパラで購入しました。

Nvidia製の場合、19万円台だと4070で12GB、5000台だと、8GBしかない5060Tiになってしまい、RAMを必要とするVRChatだとかなり不利な価格帯になっています。

7900シリーズになると、途端にBTO選択肢の幅が狭まるため、セールなどで購入するよりも単品購入のほうがメリットは高くなります。

7000 シリーズ

タイトル演算ユニットレイ アクセラレータAI アクセラレータゲーム周波数AMD Infinity Cache テクノロジ最大メモリ サイズ
AMD Radeon™ RX 7900 XTX96961922300 MHz96 MB24 GB
AMD Radeon™ RX 7900 XT84841682000 MHz80 MB20 GB
AMD Radeon™ RX 7900 GRE80801601880 MHz64 MB16 GB
AMD Radeon™ RX 7800 XT60601202124 MHz64 MB16 GB
AMD Radeon™ RX 7700 XT54541082171 MHz48 MB12 GB
AMD Radeon™ RX 7600 XT3232642470 MHz32 MB16 GB
AMD Radeon™ RX 76003232642250 MHz32 MB8 GB

上記一覧はAMDより引用:https://www.amd.com/ja/products/graphics/desktops/radeon/7000-series.html#specifications

 全体的に6万円以上払えば、メモリが12GB確保できるのもVRChat用途には向いていると思います。VRChatでグラボを積む際に特に注目すべき点は、メモリ容量になります。理由については、下記に記載します。

Radeonの場合のグラボの目安(VR)

7000シリーズと6000シリーズをメモリ容量別にまとめると、以下が目安です。VRの場合、表示解像度に依存する点もありますが、人数だとおおよそ以下が目安になります。

① 必要最低限、少人数のみ。RX 6500 XT等~(アバター表示数制限推奨)
② 10〜15人程度RX 7600
③15~25人程度RX 7700 XT
RX 7600 XT
RX 7800 XT
RX 7900 GRE
④ 25人以上RX 7900 XT
RX 7900 XTX

Radeon RX 6000シリーズ

現在も新品が販売されていますが、メインは7000シリーズ化と思いますので、ここでは割愛したいと思います。RX 6950 XT~RX 6800までのメモリが16GBあります。

6000 シリーズ

タイトル演算ユニットレイ アクセラレータゲーム周波数AMD Infinity Cache テクノロジ最大メモリ サイズ
AMD Radeon™ RX 6950 XT80802100 MHz128 MB16 GB
AMD Radeon™ RX 6900 XT80802015 MHz128 MB16 GB
AMD Radeon™ RX 6800 XT Midnight Black72722015 MHz128 MB16 GB
AMD Radeon™ RX 6800 XT72722015 MHz128 MB16 GB
AMD Radeon™ RX 680060601815 MHz128 MB16 GB
AMD Radeon™ RX 6750 XT40402495 MHz96 MB12 GB
AMD Radeon™ RX 6700 XT40402424 MHz96 MB12 GB
AMD Radeon™ RX 670036362174 MHz80 MB10 GB
AMD Radeon™ RX 6650 XT32322410 MHz32 MB8 GB
AMD Radeon™ RX 6600 XT32322359 MHz32 MB8 GB
AMD Radeon™ RX 660028282044 MHz32 MB8 GB
AMD Radeon™ RX 6500 XT16162650 MHz16 MB8 GB
AMD Radeon™ RX 6500 XT (4GB)16162610 MHz16 MB4 GB
AMD Radeon™ RX 640012122039 MHz16 MB4 GB

上記一覧はAMDより引用:https://www.amd.com/ja/products/graphics/desktops/radeon/7000-series.html#tabs-b5e0ab7002-item-c0e0732325-tab

以下は、掲示板での報告事例です。

  • Radeon RX 7900 XT とRadeon RX 9070 XTどちらがよいか?

AMDのカードはVRとの相性が良くないとされているが・・・・

 9070XTは、FSRとRTXのパフォーマンスが向上しているので、ほとんどのゲームで恩恵を受けられる。しかし、7900XTのVRAM容量が増えたところで、極端に高いテクスチャ/シャドウマップ設定とか、特殊な環境しか影響がない。

「ただし、メモリを極端に食うVRCの場合は別」

VRChatは、16GBのVRAMじゃ足りないケースも確かにある。実際問題、24GBの方が快適だと思われますが、以下の問題も発生してきます。

24GBのグラボを使ってても、30fps以下でフレームレートがガクガクしたり、1:3のリプロジェクション比率で止まっちゃうことがある。

直近では、CPUのボトルネックの方が問題なのではという指摘も。

実際問題、インテルのCPU問題以降、ボトルネックがCPUになりつつあると感じています。

そもそも多くのユーザーがNvidiaからRadeonに変更しようと思ったのが、インテルのCPU問題で、様々なパフォーマンスが落ちたことが原因ではないでしょうか? CPUを9800x3dにアップグレードすることで、パフォーマンスの違いがすごかったというケースもあるそうです。

このあたりも含めて、今後、CPUの記事を書いていきたいと思います

以上です